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特集記事ヴィンテージマンション こだわりのリノベ住戸をカラフルに引き継ぐ
ヴィンテージマンション
こだわりのリノベ住戸をカラフルに引き継ぐ
普段作家として活動されているOさま。弊社で過去に物件仲介+リノベーションプロデュースをさせていただいた渋谷区にある中古マンションを購入し、自宅兼アトリエとして内装の一部をリノベーションされました。
まるでドールハウスのようなカラフルな世界観。約100平米のおうちにゆったりとお暮らしのOさまにマンション購入の経緯やお部屋づくりでこだわった点などを詳しく伺いました。
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リビングの壁は大胆なパープルをセレクト。HAYのソファや窓の外のグリーンとも調和していて意外にも落ち着くのだそう。
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前オーナーがリノベしてから約10年経ち、パーケットのフローリングも良い風合いに。
住まい購入のきっかけ
引越しが好きで、アトリエを別で借りたり住まいと一緒にしたりを試行錯誤しながらずっと賃貸に住んでいました。ここに住む前はオーナーさんが内装にこだわったお部屋を借りていたのですが、コンクリート打ち放しの武骨さの中にタイル張りの床やキッチンのタイルが可愛くて居心地が良く、気づいたら10年程入居していました。40平米ちょっとだったので最近は少し手狭に感じていて、ちょうどまわりの友人たちが家を購入しはじめている時期だったことも影響し、私も中古マンションを検索し始めるようになりました。
いいところがあればな、という軽い気持ちで2019年頃からネットで物件を見ていたのですが、
ここ数年で驚くほど物件の価格が上がってしまって、積極的に内見にはいきませんでした。
一度北参道に気になる物件があり内見に行ったのですが販売用に新しくリフォームされたピカピカなお部屋で、ピンと来ず。やっぱり自分好みの部屋にするにはリノベーションしかない!と思って、その後はリノベ向きのお部屋を探していました。
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ラグやクッションはSTUDIO THE BLUE BOYのもの。VPグローブは前のオーナーから引き継いだ。
2件目の内見で運命の出会い
ここは元々憧れのヴィンテージマンションで、東京ヴィンテージマンションのインスタで販売が出たのを知りました。想定よりも広めの物件でやや予算をオーバーしていたのですが数年前にいい雰囲気にリノベーションされたお部屋だったので、フルリノベをせずに壁を塗り替えるだけでも好みの空間になりそう、、! と直感しました。少し前に家を購入した友人に相談したところ絶対買った方がいいよ!と背中を押されたこともあり、すぐに問い合わせました。
実際に見てみると立地の良さの割に通りから奥まった部屋位置なのでとても静かだった事や、寒いのが苦手で廊下を介して水回りにアクセスする家が好みではありませんでしたがこの家は廊下がなく部屋の導線が理想的だった事、リノベしたら絶対にやりたかったヘリンボーン張りの寝室もあり、いい素材を丁寧に使われてきた様子がうかがえたので売主さんには(色は塗り替えますが)このまま使わせていただきたいです!と、お願いしました。
人気がある物件なのは分かっていたので、買うと決めてからはすぐに動けるように銀行へローンの確認などを始めました。
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新居に移って唯一購入したというダイニング奥のアンティークのキャビネットには海外旅行で買ったりお土産にもらったお気に入りの小物達が並ぶ。
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ダイニング横のキッチンの壁はイエローよりのクリーム色に塗装。「柄の入った壁紙が映えそうだなと思って一面だけはクロス張りにしてもらいました」
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作業台の側面はお気に入りの壁紙をシート張りに。壁の色に合わせて排気ダクトも塗装する徹底ぶり。
リノベーションについて
内装は一緒に仕事をすることもある、知り合いのデザイン会社にお願いしました。大きく変えたのは洗面台とお風呂の扉くらいで、あとは全ての部屋の壁の色を変更した事とアトリエにしたお部屋の床をモルタルからカーペットに変えた程度です。
自分が好みの家はないと思っていたので元々フルリノベをするつもりで2〜3,000万円は想定していましたが、この物件は良い素材ばかり使われていてリノベは最小限で抑えられたのは本当にラッキーでした。
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リビング横にあるアトリエ。色を扱うお仕事をされているため壁は作品に影響しない程度の優しいベージュ色を選定。オレンジのカーペットも良いアクセントに。
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寝室はクローゼットの引戸まで大胆なピンクカラーに。補色のブルーグリーンのカーテンが映える窓際も素敵です。
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同じピンクでも一面だけ少し濃い色合いにすることで空間に奥行きがもたらされている。
色選びのコツは?
職業柄か、色のイメージははっきりありました。
まずリビングにあるHAYのソファの緑に合う色から連想して、補色・類似色・彩度を揃える事を意識して色を選んでいきました。内装をお願いした友人はカラフルな店舗やアートワークを手掛けるデザイン会社さんなので部屋の面積に対しての彩度や太陽の光があたった時の色の見え方など細かく打合せできたのがよかったです。
玄関とリビングの一部の壁に使われていた重厚感のある天然石の壁はそのままにしようか迷っていたところ、カッパーを提案されました。見る場所や光によって表情が変わるので面白いです。
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リビングの壁のタイルには所々にラメが入っている。奥の寝室のピンクにつながる感じも気に入っているそう。
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玄関部分。様々な色や柄が不思議と馴染んでいる。棚や壁にはたくさんの縁起物がポップに並ぶ。
住み心地や家づくりで今後していきたいこと
白の壁が嫌いだったので、全ての壁に色を入れて自分だけの好きな空間になって100%満足しています。就寝前に各お部屋の電気を消しに行く際に室内を見渡すのですが、かわいい部屋だなぁと思いながら毎晩眠りにつく事ができるので本当に幸せです。
特にお気に入りの場所は洗面室。ライトブルーのモザイクタイルを張った造作の洗面台は目地をオレンジにしているのがポイント。洗面台に立った時に丸いミラー、洗面台のライトブルー、壁のイエローと小口のパープルが視界に入っていくのを見ると気分が上がります。
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トイレは引戸を撤去しお風呂の折戸もクリアなガラスのものに交換。以前より空間が広く感じられる。
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後々アートを飾ることも想定して敢えて派手な色を選択。「友人からIKEAカラーといわれましたが笑、お気に入りです。」
今後ですが、今やっとベースができてきたという気持ちなので、次はもっと部屋に個性を出していきたいです。寝室のピンクの壁はインドのイメージがあって。後々自分で上から何かパターンを描きたいなと考えています。
あと、これも妄想なのですが、もし次にリノベーションをする機会があったら、今度は一から全部自分で内装を考えてみたいなとも思っています。
これから家探しやリノベをしたいと考えている方へメッセージ
VOGUEの海外の著名人のインテリアのyoutubeが好きでよく見るのですが、海外では壁に色を塗るのが普通なのに、なぜ日本では普及しないのか不思議です。。
色の壁にすると、これと反対の色にしようとか、同系色でまとめてみよう、とかを決めていきやすく実はインテリアが選びやすくなったりするので本当におすすめです。
色が気に入らなかったり飽きたら塗り替えればいいし、色のある生活は楽しいのでもっと色のあるかわいい家が増えていってほしいなと思います。
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前のオーナーが所有されていた時にもこのお部屋にうかがった事があるのですが、色を変えるだけでこんなにも印象が変わるのかと衝撃的でした。
クリエイティブなお仕事をされているOさまならではのセンスがちりばめられた、上級者リノベ。カラー選びのコツも目からウロコなお話で、これからの変化も楽しみなお部屋でした。
[物件DATA]
所在地:東京都渋谷区
構造・築年数:鉄筋コンクリート造/築55年
間取り・広さ:3LDK/約100㎡