WORKS
事例紹介団地リノベ@芦花公園
Camp Design inc.によるリノベーション事例。
築44年の分譲化された団地のリノベーション
現代的な開放感と団地の持つ懐かしさ・安心感が共存する住宅
世田谷区南烏山にある、築44年の団地。
古き良き日本建築の特質を生かしつつ、新しい建具の導入によって、
現代的な空間へと生まれ変わったお部屋をご紹介します。
木造建築で見られる、柱梁の間にはめられた建具や壁で、部屋を仕切る形式を柱間装置と呼びます。
興味深いことに、木造ではないRC造の団地等のインテリアにおいても柱間装置が採用されてきました。
これは、柱間装置がうみだす場所性が日本人にとって拠り所となってきたためだと考えられます。
「芦花公園の住宅」では、既存の柱間装置を転用しながら、
現代的な開放感と団地の持つ懐かしさ・安心感が共存する住宅が設計されました。
既存の柱があった位置を少し移動し、柱間装置によって新たに部屋を4分割しています。
建具は、自分で布を張り替えることができる「布框戸」というもので、今回オリジナルで製作されたものです。
破れず透過性のある、障子と襖の中間のような建具です。
玄関を入ると廊下のような土間があります。左手は寝室+アトリエになっています。
将来お子さんが大きくなったときには、収納で仕切り子供部屋をつくることになっています。
ダイニングの窓際のスペースにはサンルームが設けられています。
木製ガラス引戸で仕切り、洗濯物を干したりのんびり読書をできるスペースです。
ダイニングスペース。右手の建具の中は納戸になっています。
障子や襖の溝の寸法は溝7分(21mm)・溝同士の間は3~5分(9~15mm)と規格化されています。
布框戸もその規格に合わせて製作されているので、他の団地やマンション・アパートでも利用できる建具になっています。
※布框戸はR不動産toolboxで販売されています。
http://www.r-toolbox.jp/service/布框戸(ぬのかまちど)/
奥の建具は、既存の障子の紙を剥がして寒冷紗を貼り網戸として再利用されています。
既存のアルミ製網戸が壊れていたので、代用として自分たちで張り替えたそうです。
この布框戸の下段に張っている布は、服飾の仕事をされていた奥様が製作されたパッチワークです。
このように自分で製作した布や、お気に入りのファブリックを張ることができます。
キッチンとサニタリー。団地の改修では、水回りの更新が課題になります。
場所を移動できない場合が多く、今回も既存と同じ位置で器具の取り替えが行われました。
【図面】
【Data】
用途 : 住居
家族構成 : 夫婦+子供一人
延床面積 : 50.86㎡
竣工年 : 2014年12月
構造 : RC
設計 : Camp Design inc.
写真 : Kentahasegawa