WORKS
事例紹介S様邸@三田綱町
一級建築士事務所 株式会社 佐藤宏尚建築デザイン事務所によるリノベーション事例。
開放感あふれる約40帖のLDK
広い窓からの光を採り入れたホテルライクな暮らし
港区三田にある、昭和46年築ヴィンテージマンション。
上質な素材をふんだんに使い、細部まで巧みに計算されたお部屋をご紹介します。
右角の窓の部分は、先端まで窓ガラスになっているように見えて、実は鏡を使った柱です。なるほどこうすると、まるで端まで窓ガラスのように見えてるわけですね!
また、既存のサッシをそのまま利用しながら、ガラスを真空ガラスに交換することで、大きな窓による熱負荷を改善しています。
南西に窓があり、とても陽当りが良い明るい室内。
光を通すバーチカルブラインドを設置することで、ブラインド越しに柔らかな光が入ってきます。また、窓のすぐ上ではなく、天井からブラインドを吊るして梁型を隠すことで、天井が高く感じられるようになっています。
広いリビングにも関わらず、天井に照明が無いことが不思議でしたが、ブラインド上部に照明が取付けてありました。
部屋をぐるりと囲んだ照明により、十分な明るさがあります。「照明は頭上」という固定観念は捨てる必要がありそうです。
リビングに面した、広いアイランドキッチン。
カウンターの手前も奥にもたっぷり収納を用意し、生活感が出るものはきっちり隠せるようになっていました。奥には、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電を配置しています。
窓側からみた様子です。床には、優しい色の足ざわりの良いカーペットが敷かれています。
ソファは、前の住居から利用しているものを仮で置いています。
家具については奥様が任されているのだそうですが、なかなかこれというものに出会えないとのこと。これだけ広いと選択肢が増えて色々と悩んでしまいますね。
リビングの中心には、立派なマントルピースがありました。
大きな窓やガラスブロックなどを使っている中で、大判のタイルを用いたブラウンカラーの壁が、空間をぐっと引き締めています。
壁は、イタリアンスタッコという漆喰の塗壁で、廊下も同様に仕上げてあります。暖炉の脇にある2本の白い筒は、佐藤様が作られたスピーカーとのことです!
玄関には、既存の住戸の玄関に使われていた大変珍しい木の皮の突き板を利用しています。
赤い色がとっても印象的でした。
外からの光が届かず、暗くなりがちな玄関は、廊下の壁を一面ガラスブロックすることで、リビングの光が玄関にまで届くようにしました。
廊下右側の鏡となった部分は、トイレの扉。奥行きが生まれ、更に反射によって明るさが増します。
ガラスブロックを透り、屈折した光が大理石の床に映り、キラキラと輝いて見えました。
トイレの手洗いスペースには、モザイクタイルとアンティークゴールドの水栓が優しい雰囲気をつくり出しています。
パウダールームの鏡を囲むような照明は、鏡映りが美しく、女性に嬉しいですね。
家具は、どれもウォールナットの無垢材で作っています。
洗面台の下の穴が空いている部分は、実はゴミ箱だそうです。パウダールームには必須だけれど、見た目がイマイチなゴミ箱。この方法がありました!
寝室はベッドとインクローゼットのみとし、その分LDKの広さを確保しています。
玄関と同じ木の皮の突き板を腰壁に使用し、まるで大きなヘッドボードのようです。
ライトアップされた壁と天井は、貝灰漆喰という貝から創られた伝統的な漆喰を使っています。
ブロックガラスや鏡、間接照明など、光をコントロールし空間の繋がりをつくる巧みに計算されたリノベーション。
まるでホテルのスイートルームような、居心地の良い上質な空間でした。
Data
所在地 : 東京都港区
用途 : 居住
家族構成 : 夫婦+子供1人
改修面積 :121.36 ㎡
設計 : 株式会社 佐藤宏尚建築デザイン事務所 http://synapse.co.jp/
写真:佐藤宏尚