都心で自分に合ったデザインが選べるリノベーション

弊社が企画したヴィンテージアパートメントのエントランス・共用部分、一部居室のリノベーション事例をご紹介。

南青山4丁目、閑静な住宅街に佇むレトロな趣きの一棟賃貸マンション。白い外壁に、お庭に植えられた桜の木のような淡いピンクカラーがアクセントとなったかわいらしい建物です。

竣工からまもなく60年。これまで大きな修繕がほとんどなされず共用部・室内ともに経年し空室も目立ってきたため、リノベーションして価値のアップや活用を図りたいとオーナー様よりお話をいただきました。

建物は経年による古さはあるものの、表参道駅徒歩9分という場所にありながら閑静で周囲に高い建物がなく、南向きのバルコニーからは東京タワーなど都心らしい眺めは遠くまで抜けていて、緑も近くに感じられました。竣工当時から日本演劇界の重鎮や俳優・小説家など文化的な方々が好んで住まれていたというのも納得です。

建替えや土地の売却も視野に入れていたというオーナー様でしたが、古いながらも素敵な部分もたくさん残っていて、20年以上前から青山のヴィンテージマンションやリノベーションに携わってきた私たちにとっては原石のような建物に感じられました。

そこで立地や眺望の良さを最大限に活かし、壊して全て新しくつくるのではなく古さをいかしたリノベーションを行いましょうとご提案させていただきました。

•リニューアルの費用は賃料アップ分で得られる利益を充当することでできる範囲で(資金回収までの

スケジュールをご提示)

•土地柄 、住居以外にもSOHOでの使用やDIYも許可 (自社サイトで借りる方を募り古き良き空気を感じながら建物の良さを理解し愛着を持って使ってくれる人が集まるマンションを目指す)

給排水管や柵の錆など設備や使用上危険が及ぶところはきちんと修繕するのはもちろん、

費用対効果を考え、主に共用部のリニューアルと空室になっている室内を最低限のリノベーションを行いました。

エントランス

フェンス撤去 / 駐輪スペースを移動し広がったエントランス。大谷石の壁や味のある明朝体フォントのマンションサインなどレトロな部分をいかしつつ、塗装替えなどを施しシンプルにまとめました。

植栽は全面道路からの動線に沿って高さと葉のボリュームの異なる木を織り交ぜてアプローチに豊かな表情をもたらせています。

Before

共用部

塗装の剥がれを直し、ポストも新しく交換。照明も建物の雰囲気に合うものに変更。

管理人さんのご協力の元、掲示物はシンプルで最低限に、共用廊下には物を置かないなど建物をきれいに保つためのルールづくりも行いました。

Before

室内

室内は既存の良さをいかしつつ一部に手を加えました。

住居だけでなくSOHO利用でも使用できるよう床面にはマットな質感でスタイリッシュなモルタル調のフロアタイルを採用。押し入れやレトロな造作の収納は全て白にペイントして明るく気持ちの良い空間に仕上げています。

キッチンはお部屋によっては新しいものに交換していますが、みずまわりはタイルなど残せるものはなるべく残し、トイレやミラーなど一部使いやすいものへと変更しています。

欄間やチェッカーガラスの引戸収納、レトロな照明など既存のかわいらしい雰囲気はなるべく残しました。

お部屋によって見える景色は異なりますが、バルコニーからの眺望は何者にも代えがたく、暮らす人の心を豊かにしてくれそうです。

Before

その他共用部分

エントランスの通路を塞いでいた自転車は裏口付近のスペースに移設。ラインを引いただけでしたが、みなさんキチンと線に沿って駐輪してくださっています。

マンションの多い地域で埋もれてしまいがちな立地ですが、共用部や室内の古き良き部分をいかし整えた事で新たな価値が生まれ、他の物件と差別化することができました。結果的に以前よりも高い賃料で借り手がつき、バリューアップにつながっています。

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所在地 : 東京都港区南青山
建築年: 1966年
構造 : 鉄筋コンクリート造

〔主な改修内容〕
エントランス部分改修・一部共用部改修・一部室内改修・植栽など